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【DVD鑑賞】サブライム/白衣に潜む狂気

サブライム/白衣に潜む狂気
 制作年  2007年
 監督   トニー・クランツ
 出演   トーマス・キャヴァナー、キャサリン・カニンガム=イヴス、
      キャスリーン・ヨーク、ローレンス・ヒルトン=ジェイコブス、
      パジェット・ブリュースター、カイル・ギャルナーほか
 劇場公開 劇場未公開
 録画日  DVD形式 2008年3月15日
 鑑賞年月 DVD鑑賞 2021年1月


 あらあら、13年も前の録画だった。
こりゃ、もう録画動機なんて思い出せない。
知っている俳優もいないから、やっぱりタイトルだろうなぁ。
「サブライム」か?「白衣に潜む狂気」か?
サブライムの意味を知らないから、白衣に潜む狂気、とりわけ白衣かな…

原題は「SUBLIME」
荘厳な、崇高な、雄大な、荘厳美、崇高なもの、高尚なという意味らしい。
あれ?白衣なんて関係ない…
うん、鑑賞後の印象でも「白衣に潜む狂気」なんて感じなかった。

本作は医療ミスによって、植物人間となってしまった男の尊厳死を扱った物語。
アプローチの仕方がユニークで、ちょっとしたホラータッチの作風になっている。
40歳の誕生日を迎えた主人公。
家族や友人を招いて誕生パーティーを開いた。
ん?翌日に内視鏡検査があるっているのに酒は飲む、食事はするって?
そんなことしているからエライ目に合うのだよ。
妻や弟、友人、子供たちとの会話が意味深になるのは後々のこと。
意図は分からないわけではないけれど、劇的な効果があるとは言えないかも。

翌日、内視鏡の検査を受けた主人公。
目覚めると仰々しくベッドに横たわり点滴を受けている。
ここにパッと見に怪しい雰囲気の若い女性看護師が登場。
白衣がやたらにエロい。
本人も「看護師に見えないと患者に言われる」と告白。
まぁ、巧いミスリードだな。

このあと担当医師から医療ミスを告げられる主人公。
でも妻や医師の会話が怪しい。
なんとなく噛み合わない。
同姓同名の人物と間違われて神経をやられ、おまけに女性看護師のミスで負ったかすり傷から感染症を併発したらしいのだが…

怪しげな黒人看護師が登場したり、隣のベッドの患者をその看護師が殺害したりと物語はホラーの様相を呈してくる。
隣の棟が閉鎖されているのだが、よくある「なんちゃら病棟」の雰囲気。
そこに怪しさの原因があると睨んだ主人公、女性看護師に車椅子に乗せてもらって調査することにするのだが…
思った通り、怪しげな施術が行われていたっ!
さらに妻と担当医師が浮気しているっ!

ここまで誕生パーティーの何度か夢のような形で繰り返される。
印象的なのは弟との会話。
主人公はIT企業で成功しているセレブ。
弟は世界を放浪している自由人。
価値観の違いの会話があって主人公が「少なくとも妻を幸福にした」と語る。
弟は「そんなこと、どうして分かる?」
「目を見れば妻が幸福なのは分かるのさ」
「目を見たからって心の中までは分からない」と弟。

「目は口ほどにものを言い」という諺がある。
日本人なら、なんとなく「そうだよなぁ」と納得できると思う。
でも最近は「言葉にしないと何を考えているのか分かるわけがない」とも。
言葉にせずとも動作から心を慮るという文化が消えてしまったのか?
忖度も例の事件以来、よい意味で使われない。
まぁ、昔から「腹を探る」なんて言い回しもあったからなぁ。

でも、この「目を見ればわかる、分からない」問題が、ラストに衝撃的な映像で提示されるのには驚いた。
実は黒人看護師は呪術師だった!
主人公を精神的にも肉体的にもいたぶり続けている。
優しかった看護師ゾーイも彼の手によって殺害された!
今度は自分の番、逃げ出したいっ!

ここで現実の病室の場面になる。
観客、ここで主人公が医療ミスで植物人間になってしまったことを知る。
よくある手法かもしれないが、衝撃的ではある。
医師と病院側の弁護士、主人公の妻、子供たち、弟が延命措置について話し合っており、医師たちからは「もう7ヶ月経過、回復の見込みはない」と告げられる。
弟は医師に同意し義姉を説得するのだが、妻は「夫は、まだ生きている。目を見れば分かる。幸せそうよ」と言う。

その時、植物人間状態の主人公の心の中は、まさに今、黒人看護師から逃れようと検査日の朝の妻との会話を思い出していた。
本作の冒頭は、空から落下する主人公が地面の直前で目覚めるというシーン。
「このままだったらどうなるのか?」という主人公に妻が「目覚めないで、そのまま死んでしまうの。でもあなたは目覚めた。今日は検針日よ」と。
その会話を思い出し、彼は病室から投身自殺する。
こうして現実の病室の主人公も静かに目を閉じるのであった…

延命措置に対して、患者は本当に望んでいるのか?
患者の心の有りようを、ホラー仕立ての映像で描くことで望んではいないと言っているように感じるラストだった。
岳父、岳母も「(そうなったら)余計な措置はいらない」と言っていた。
今は、自分もそのように思う。
敬愛する元上司Mr.身勝手君も「死ぬときはポックリ逝きたい」と言っていた。

その時が来たら、酔ってそのまま逝きたいものである。

サブライム-白衣に潜む狂気- [DVD] - トム・キャバナー, キャサリン・カニンガム=イブス, キャスリーン・ヨーク, ローレンス・ヒルトン=ジェイコブス, トニー・クランツ
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