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【DVD鑑賞】ニューヨークの怪人

ニューヨークの怪人
 制作年  1958年
 監督   ユージン・ローリー
 出演   ジョン・バラグレイ、マーラ・パワーズ、
      オットー・クルーガー、チャールズ・ハーバート、
      ロバート・ハットンほか
 劇場公開 不明
 録画日  DVD形式 2019年11月30日
 鑑賞年月 DVD鑑賞 2019年12月


 悲しい話だ。
優秀な科学者がバカ息子のせいで交通事故に遭い命を落とす。
父親のマッドサイエンテストが諦めきれずに、科学者の脳を人型機械に移す。
科学者の極寒の地での食物栽培を可能にする研究を継続するために。

1958年制作、サイボーグの原形のような話でもあり、同時に人造人間つまりはフランケンシュタインの怪物のような話でもある。
この物語の肝は人型機械に移された科学者が、意識を取り戻した際に「死なせて欲しい」と父親に懇願することである。
物語では語られないけれど、事故とは言え一度死に絶えた命を科学の力によって甦らせることは自然の摂理に反する、そう訴えているような気がする。

けれども父親は息子に向かって「お前の研究は人類を救うために必要」と言って、
復活を無理強いするのである。
息子は悩んだ末に父の助言に従う。
ただ人前に姿をさらさないという条件を付けた。

人型機械の造形は不気味な姿をしている。
1958年では思いつかなかったかもしれないが、人前に出ない以上は彼が人の姿である必要はない。
父親にしても必要だったのは彼の知識なのだから。
まぁ、コンピューターが、まだ計算機の時代だから致し方ない。
計算機が意思を持ち成長し判断をする「地球爆破作戦(1970年)」まで、
まだ12年も時間がある。

移植された科学者は、徐々に理性が失われてゆく。
そうして彼は夜の街(ニューヨーク)を徘徊するようになり、ついには科学者が集まる講演会で集まった科学者たちに殺人光線を浴びせる…

低予算のせいか映像はかなりチープ。
でも物語的には悪くない。
難点は観客が、おそらくこういうことなんだろうと想像する必要がある脚本の未熟さか編集の悪さだろう。
もったいないと思う。

例えば怪人として意識が戻った時の「死なせて欲しい」という息子と、それは科学の発展にとって人類の将来にとって大いなる損失だと言う父親との会話は、もっと深堀していいテーマだろう。
科学者の苦悩の描写がないところが惜しい。

映像のチープさを感じさせない発想の妙が一つ。
この怪人の意識が戻るとき、周囲の風景がTV画面のように映り始める。
このアイデアは、1958年的にはロボット感があって悪くない。
さらに言葉も最初は不安定でノイズが多い。
機械が動き出すといった感じがよく表れていて秀逸の描写である。

だからこそ全体に端折られ感が強いことと、テーマとして自然の摂理に反して命を復活させることの是非が掘り下げられていないことが惜しいのである。
そこが巧く描けていればチープな映像ながらも、後世名作SFと称えられる可能性が高かったのではないかと思う。
惜しい、じつに惜しい。

ニューヨークの怪人 [DVD] - ジョン・バラグレイ, マーラ・パワーズ, オットー・クルーガー, チャールズ・ハーバート, ロバート・ハットン, ユージン・ローリー
ニューヨークの怪人 [DVD] - ジョン・バラグレイ, マーラ・パワーズ, オットー・クルーガー, チャールズ・ハーバート, ロバート・ハットン, ユージン・ローリー

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