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【BD鑑賞】ケイン号の叛乱

ケイン号の叛乱
 制作年  1954年
 監督   エドワード・ドミトリク
 出演   ハンフリー・ボガート、ホセ・ファーラー、
      リー・マーヴィン、ヴァン・ジョンソン、
      ロバート・フランシスほか
 劇場公開 1954年8月
 録画日  BD形式 2014年12月5日
 鑑賞年月 BD鑑賞 2017年9月


 軍という組織のことも、戦争のこともよくは知らないが、普通に面白かった。
特にハンフリー・ボガートの偏執狂的艦長の演技は素晴らしく、
「カサブランカ(1942年)」、「三つ数えろ(1946年」での
クールな役どころとは異なるのだが、自分にとっては本作の演技にハマった。

阿久悠が「カサブランカ・ダンディ」の歌詞で♪ボギー、あんたの時代はよかった♪と評したハンフリー・ボガート。
♪男がピカピカの気障でいられた♪
最初に観た作品は「麗しのサブリナ(1954年)」である。

色黒で背が低く、いったいどこが魅力的なのか、まったく分からなかった。
少しでもボギーの良さに近づきたくて彼の出演作を観てきたが、
これまでは、ちっともカッコよさを感じられず、どうも腑に落ちない状態が続いていた。

ちなみに彼の出演作品のコレクションは、次の通り。(2020年5月末現在)
 ・ハイ・シエラ(1941年)
 ・カサブランカ(1942年)
 ・三つ数えろ(1946年)
 ・キー・ラーゴ(1948年)
 ・暗黒への転落(1949年)
 ・孤独な場所で(1950年)
 ・アフリカの女王(1951年)
 ・麗しのサブリナ(1954年)     
 ・デッド・ラインUSA(1952年)
 ・ケイン号の叛乱(1954年)
 ・殴られる男(1956年)

彼の出演作品を全て見たわけではないのだが、どの作品を観ても阿久悠が言うほど
「ピカピカの気障」を感じることができず、何がボギーの魅力なのか
分からず悶々としていた。
ある時、マイケル・J・フォックスのような感じなのかなと思ったりした。
二人の共通点は、こんな言い方はよくないかも知れないけれど、背が低いことだ。
だからマイケル・J・フォックスには、どうしても二枚目半のイメージしかない。

昔、玉川カルテットという歌謡浪曲グループがいたが、
「金も要らなきゃ 女も要らぬ。あたしゃ、も少し背が欲しい」と叫んでいたが、
男のカッコよさっていうのは、そういうものではないだろうか。
もう少し背が高ければ、金も女も手に入るということでもある。

三高なんて言葉もあった。(高学歴、高収入、高身長)
少なくとも銀幕のヒーローは、そうあって欲しい…というのが人情であろう。
ボギーは、どうしてもその枠に入らない。

本作のボギー艦長は、徹底して小心者で卑怯でコスズルイ(標準語かなぁ)。
2/3くらいは、こういう映像を見せられるので通信士の男が「今度の艦長、偏執的で病気だ」と言い始めた時は、そのとおりだと思ってしまう。

そしてまた、これが親父顔のボギーにピッタンコにハマっていて素晴らしい演技。
もう、♪ピカピカの気障でいられた♪の呪縛から、解き放たれた気分になった。
ハンフリー・ボガート、最高!

ある日、暴風雨の中、ケイン号は沈没しそうになるが、
ボギー艦長は命令を固守し続ける。
これ以上の直進は沈没と判断した副長が通信士に言われた海軍規則を思いだし、
艦長から指揮権を剥奪、無事に港へ帰港するのだが…
戦後、この行為が反乱ではないかと軍事裁判が開かれることに。
そして、ここからが本作の見どころとなる。

観客は、ボギー艦長の醜態を部下たち同様に見知っているので、
検察側の主張には「そりゃ、そうだろうけど、
現場にいないお前に何が分かる」と思う。
それだけ感情移入してしまうほど、たっぷりと時間をかけて描写されている。
どういうわけか弁護人、さほどの反論もしない。
「何やってるんだ、弁護人。このままじゃ、反乱罪で死刑けじゃないか!」

さてさて、どうなることやと思いきや、二度の逆転劇があるので面白い。
形勢不利に見えた状況を、ボギー艦長への反対尋問で見事に無罪放免を勝ち取る。
いやぁ、弁護人、やるじゃないかと思ったら、もう一発の逆転が。

ここで明かされた種を踏まえて、もう一度、事件全体を見なおしてみると…
なるほど、人間の組織内での行動原理というのは、
それほど単純ではないことが分かる。
ポリー艦長への思いやりの言葉も、確かに言われてみれば、そうかも知れないと
過去の上司のことを思い出したりした。

自分は、ボギー艦長ほど極端に責任転嫁をする上司にはめぐり合わなかったが、
それでも働かない上司を何度か経験した。
無視するかのような態度で振る舞ったのは、少し問題行動だったのかも知れない。
彼等だって若い頃、それなりに働き人生を歩んできたのだ。

弁護人、最後にいいところを全部もっていったなぁ。
別に若い見習士官の恋愛劇は必要ないなぁ。
この頃は、こういうお色気がないと配給会社が納得しないのかな。

ケイン号の叛乱 [DVD] - ハンフリー・ボガート, ホセ・ファーラー, バン・ジョンソン, フレッド・マクマレイ, エドワード・ドミトリク
ケイン号の叛乱 [DVD] - ハンフリー・ボガート, ホセ・ファーラー, バン・ジョンソン, フレッド・マクマレイ, エドワード・ドミトリク

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