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【BD鑑賞】やさしい本泥棒

やさしい本泥棒
 制作年  2013年
 監督   ブライアン・パーシヴァル
 出演   ソフィー・ネリッセ、ジェフリー・ラッシュ
      エミリー・ワトソン、ベン・シュネッツァー、
      ニコ・リアシュ、キルステン・ブロックほか
 劇場公開 劇場未公開
 録画日  BD形式 2015年6月24日
 鑑賞年月 BD鑑賞 2016年3月


 ソフィー・ネリッセが本を開いてたたずみ、
斜め前方を見上げている画像に惚れ込んだ。
そして、このタイトル。
この魅力的な少女と本を巡るどんなファンタジーが繰り広げられるのか…
そんな期待で鑑賞したのだが、あらら、かなりシリアスなお話でした。
まぁ、期待は裏切られたけれど、面白い作品だったので特に文句はない。
なんとなく気分は物語を撫でるように語ってしまいくなる…

ファンタジーどころか、第二次世界大戦開戦間近のドイツが舞台である。
台頭するナチスドイツ、ユダヤ民族への弾圧、迫害が日に日に強くなってゆく時代。
主人公のリーゼル(ソフィー・ネリッセ)は、弟と一緒に里子に出される。
母親が共産主義者だったというのが理由だが、それは後の話だし重要ではない。

里親はハンス(ジェフリー・ラッシュ)とローザ(エミリー・ワトソン)。
移動中に弟が亡くなってしまう。
栄養事情なのだろうなぁ…
途中で埋葬するのだが、その時の墓堀人が落とした一冊の本をリーゼルは弟の形見として拾い、肌身離さず持ち歩くことに。
まぁ、最初の本泥棒ってことになるのか。
その本は「墓堀人の心得」だった。

里親(母)のローザはちょっと意地が悪いように思われた。
自宅前に到着したリーセルを見るなり「弟は?」、「給付金が減る」、
「小汚い娘だ」と悪態をつくのだが、実は案外いい人だったりする。

リーゼルは文字が読めない。
学校でもバカにされてしまうが、
気が強い彼女は馬鹿にした少年を殴り返してしまう。
そして友達になった隣家のルディから「おてんば娘」の称号をもらうことに。

里親(父)のハンスは最初から優しい。
リーゼルを「私のお姫様」と呼ぶ。
彼女が手放さない本が「墓堀人の心得」というタイトル。
なのに弟の形見だという。
そのことでハンスは彼女が文字が読めないことを察する。
毎晩、毎晩二人でその本を読むことで文字を勉強する。
優しいなぁ、コゼットに対するジャン・バルジャンみたいだ。

そんな里親と友達のルディとの、ちょっとだけ刺激的な毎日が続いたある日、
ハンスの命の恩人である人物の息子マックス(ベン・シュネッツァー)が
瀕死の状態で訪ねてくる。
そう、彼はユダヤ人。
母親を残して逃亡してきたのだった。
つらい別れである。

ハンスは危険を覚悟でマックスを匿うことを即決する。
ちょっと楽天的過ぎるけれど、人間的には素敵で勇気ある決断だ。
ローザも不安を訴えながら同意する。
やはりナチス支配下においてユダヤ人と関わりを持つ映像は緊張を強いられる。

ある日、ナチスの方針に合わない禁書を焼く集会が開かれる。
やっと本を読めるようになってきたリーゼル、
集会後に焼け跡から本を一冊盗んでしまう。
2度目の本泥棒は、H.G.ウェルズ著「透明人間」。
うーん、ナチスドイツの方針に影響のある内容とは思えないが、
敵国の作家だからダメってことなんだろうな。

その姿を見ている者たちがいた。
車で立ち去る時、リーゼルたちを咎めないのは不思議だったが…
まぁ、一安心ではある。

さて次なる本泥棒は、町長宅からになる。
ローザはクリーニングの仕事で生計を立てていた。
ハンスはペンキ屋(看板屋)のようだが、戦時下で仕事があまりない。
ある日、洗濯物を届けにルディと一緒に町長宅に行ったルリーゼル。
思いがけず町長夫人から図書室に案内される。

ここは何だか唐突な感じがした。
後で分かるのだが、2度目の本泥棒を見ていたのは町長と夫人だったのである。
戦死した息子も本が好きで、リーゼルに思いが重なったということだろう。

さて3度目以降の本泥棒は、マックスが風邪で意識不明になり
少しでも元気づけようと、寝床で毎晩朗読しようと思ったことに始まる。
町長宅から、内緒で本を借りてくることに…
不法侵入と窃盗ですよ、リーゼル。

ところがルディに後をつけられバレしまった。
仕方なく誰かを匿っていることを話すことに…
まぁ、このあたりはルディのちょっとした嫉妬心もあって、
仲睦まじい淡い恋物語風展開。
気恥ずかしくもあるが、いいなぁ、青春の恋。

その甲斐あってかマックス、元気になった。
ローザ、一目散でリーゼルに知らせるため学校へ。
教室の前で怒り出すローザ。
そう、これはユダヤ人であるマックスを匿っていることを知られないためのお芝居。
ローザ、いい人だねぇ。
教室に戻る時も「二度とやったら承知しないから!」と怒鳴って去って行く。
いい話だ。

さて、実は本作、時々ナレーションが入る。
それが死神のナレーションなのである。
いかにも仕事人(お迎えの)という言葉使いは好感が持てるが、
実際はとんでもない奴。
彼が現れると人が死ぬ。
本人は黒マントと鎖鎌のイメージは気に入っているらしい。
えっ?それって「第七の封印(1956年)」ってこと?

そう、唐突にルディもハンスもローザも連合軍の誤爆によって亡くなってしまう。
ジャーン!登場人たち、物主人公以外全員退場…
どうするんだろう。

本筋の話は、ここでお終い。
そりゃそうだ、ハンスもローザもいないくてはどうしようもない。
どうやら町長夫妻の養女になったようではあるが…

その後も死神はリーゼルを90歳で亡くなるまで見つめ続けた、と彼は語る。
戦後、兵役で自宅にいなかったルディの父親が店を再開。
彼女はそこで働くことに。
ある日、逃げ回っていたマックスが現れる。
たぶん、結婚したのだろう。

90歳の大往生を遂げたリーゼル。
それはハンス、ローザ、ルディたちと暮らした日々が、
彼女の心を豊かにし強く育て上げたということなのかも知れない。
悲しいときは彼らを思い出せばいい。

そして満足げに死神はリーゼルを迎え入れたのである。
酷い奴だなぁ…ルディくらい、大目に見てやってもいんじゃないの。

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