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【DVD鑑賞】怪奇大作戦 Vol.6

怪奇大作戦 Vol.6
 制作年  1968年
 監督   鈴木俊継、実相寺昭雄、飯島敏宏
 出演   勝呂誉、松山省二、岸田森、原保美、
      小林昭二、小橋玲花ノ本寿、浮田佐武郎、
      松川純子、小松方正ほか
 劇場公開 劇場未公開
 録画日  DVD形式 2015年11月27日
 鑑賞年月 DVD鑑賞 2016年1月


 第6巻に収録されているのは、欠番の第24話「狂鬼人間」を除く次の4話。
「狂鬼人間」はYoutubeで観た。
第22話 果てしなき暴走
第23話 呪いの壺
第25話 京都買います
第26話 ゆきおんな

 第24話「狂鬼人間」が欠番になった理由や経緯は、よく分からないらしい。
精神異常者の扱いが不適切だとか、差別用語が多いなど諸説あるようだ。
しかし、それを言うなら本シリーズの全編で、やたら喫煙シーンが多いのだが、
それを理由に全て欠番、廃盤になってもおかしくないのではないか?
なかなか面白い内容なのに、ちょっと残念な気がする。
そういえば「ウルトラセブン」でも、放射能の扱いうんぬんで欠番の回があったな。
ちょっと言葉狩りのような気がして愉快ではないように思うが、どうだろうか。

 「果てしなき暴走」は、いわゆる1960年代の
モータリゼーションを背景として、増加する一方の交通事故、
すなわち交通戦争(死語)を題材にした物語。
車を暴走させてしまうガスをしかけた若い男が犯人だが、
追い詰めた警察、SRIの目前で、彼は交通事故で死んでしまう。
「どうして神経ガス(?)を仕掛けたりしたんだ」と問うSRI。
「俺じゃない、俺は頼まれたんだ…」と男は応える。
「誰に頼まれたんだ?」と畳みかけるSRIだったが…
男は、「く、くるま…」と呟き絶命してしまう。
動機不明のまま、車社会のこれからを批判した台詞で終わる。
台詞の内容は、忘れた…(!)
 カーチェイスは、ちょっとチープすぎるか。
しかし、このSRIの専用車、二人乗りだが、
公道を走っているが問題なかったのかな?
お世辞にもカッコイイとは言えないが、ヘッドライトの高さなど
公道走行の基準を満足していないような気がするのだが…
それほどうるさくなかったのかも知れないなぁ。
原付免許でミゼットが運転できたそうだから…
それに見ていると足回りがフワフワで、かなりなヘナチョコカーだ。
ベース車両は、なんなのだろう?
気になって調べたら…スバル・サンバー360だった。
なるほどね。

 第23話「呪いの壺」は、第25話「京都買います」とセットで京都篇と
呼ばれているらしいが、ロケで2作同時進行の撮影だったのだろうなぁ。
贋作作りの父親の名誉回復を考えた息子の奇妙な復讐物語。
怪奇現象は、壺を覗くと視神経を通じて全ての神経が破壊され死に至る…
タネは旧日本軍が開発した神経破壊物質(?)。
これも怪奇現象の謎を解くというより、若者の歪な感情、心理を描いている
人間ドラマのような気がして、やや物足りない。
 見どころが一つある。
それは、若者が逃げ込んだ寺の炎上シーンだ。
本シリーズ唯一無二の円谷特撮、と言えなくもない。
特に、山門から覗く炎上する寺の合成は見事で圧倒的な存在感を放っている。
 人間ドラマといえば犯人の男を慕う女性との会話が、とてもいい感じだ。
犯人と知っても、男の歪んだ復讐心を知ってもなお慕い続ける女心、いや恋心か。
二人の会話が京都弁なのも手伝って、いい雰囲気が醸し出されている。
女性のかけている黒縁メガネ、当時ではダサイと思われたと思うが、
現代の感覚では、それほど悪くない。
まぁ、女優さんが可愛いというのもあるかも知れないが…

 第25話「京都買います」だが、本シリーズでも人気の高い物語のようだ。
うーん、仏像がやたらにチープ。
ロケで予算が無くなった?
「呪いの壺」の特撮で予算を使い果たしたか?
メッセージ性のある物語なだけに、残念という気がした。
 岸田森演じる牧の恋物語でもある本作、
古きよきものを大事にしようということだろう。
あと数年すると田中角栄が「日本列島改造論」をぶち上げる。
京都、大阪や東京から遠く離れ、文化、経済、政治から
隔離されていた新潟(長岡)。
とにかく活性化し地域に住む人たちを都会人のように豊かにするためには、
ブルドーザーで列島改造を推進するしかなかった。
もともと古い文化を持つ京都人からすれば、乱暴極まりない野蛮人の行いに
見えたことであろう。
それは、かつての公家が蝦夷を恐れた感情そのものであっただろう。
だから、京都を買って京都を文化を守ろうという発想には、
蝦夷の末裔である自分には諸手を挙げて賛成できない複雑な思いがある。
分かるんだけどねぇ…

 第26話「ゆきおんな」が、本シリーズ最終話である。
最終回のゲストは小松方正。
雪女(たぶん娘と二役)もゲストなのかな?
当時のアイドル?学芸会的な演技には辟易した。
 大泥棒の父親が、昔仲間を裏切って手にしたダイヤを娘に手渡し、
幸せになって欲しいと歪んだ願望を叶えようとする物語。
ラストは、関係者全員死亡。
でも、雪女のせいではない…
 娘、ダイヤ貰って嬉しいか?
母親も亡くなり天涯孤独の娘にとっては唯一の肉親である父親が、
かつての罪を猛省し自首して悔い改めるほうが幸せなのではないか?
まぁ、これだと怪奇話にならないか…
 雪女、ラストに娘がピンチになった時登場する。
息を吹きかけ凍らせるという訳ではない。
それでは科学的検証が面倒なんだろう。
幻影として登場し、幻影として説明されていた。
冬山では自らの姿が空に反射して幻影として見えることがある。
事実かどうか分からないが、あんまり説得力なかったなぁ。
いつもことだが…
最終回はファンタジーと軽いギャグノリで締めくくられました。

 最後に欠番の第24話だが、精神異常者は罪に問えないという刑法の規定を悪用して世の中に復讐しようとする女の物語。
彼女自身、家族を惨殺され犯人が精神異常のため、
罪に問えなかったという過去を持つ。
彼女は、ある薬品を発明する。
それは一時的に精神錯乱を起すもので、怨みを持つ人間の復讐心を煽る
「狂わせ屋」として世間に復讐していた。
 本作、岸田森が演じる牧が大活躍する。
彼自身が囮捜査で狂わせ屋に狂わされてしまうという大ピンチを味わう。
危機を乗り越え女を追い詰めるが…女は薬を服用して自ら狂ってしまうのだった。
正直、欠番になる理由がよく分からない。
冒頭にも書いたが、安易な言葉狩りに繋がる自主規制なのではないだろうか。

 さて、最終回を迎えてシリーズ全体を俯瞰してみる。
まず、リアルタイムでの経験というか体感がないことが一因だが、
懐かしさを伴っての名作感を受けなかった。
また怪奇大作戦と銘打ってはいるが、意外に怪奇現象と科学的検証がおざなり。
タイトルから感じる怪奇性よりはミステリー、事件もの、
人間ドラマという印象である。

当初は岸田森=デジタル人間、勝呂誉=アナログ人間、二人のバディもの、
といった印象を持ったが、回を重ねるにつれて、その印象も薄くなった。
そういう点で「怪奇現象を科学的に検証し、その謎を解明する」というコンセプトも
薄まったような印象を受けた。
視聴率やスポンサーの意向もあったのだろうか。

ちなみに視聴率は20%代だったようだが、「ウルトラマン」、「ウルトラQ」と比較すると低迷した印象をスポンサーは持ったようだ。
第26話で打ち切りとなったのは、スポンサーの意向らしい。
こういう点もドラマが苦手な一つの側面である。

いずれにしても、昭和の風景も楽しめたし、時代背景を考えたりしながら、
それなりに楽しんで鑑賞することはできた。
実際の放映を観ていたら、もっと素直に楽しめたのだろうなぁ。
そこは、ちょっと残念だったが…思っても詮の無い話である。

DVD 怪奇大作戦 Vol.6 - 特撮(映像), 岸田森, 勝呂誉, 松山省二, 小橋玲子, 特撮(映像)
DVD 怪奇大作戦 Vol.6 - 特撮(映像), 岸田森, 勝呂誉, 松山省二, 小橋玲子, 特撮(映像)

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