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【DVD鑑賞】妖怪大戦争(1968年)

妖怪大戦争(1968年)
 制作年  1968年
 監督   黒田義之
 出演   青山良彦、川崎あかね、内田朝雄、大川修、木村玄、神田隆、
      若井はんじ、若井けんじ、西川ヒノデ、毛利郁子、花村秀樹ほか
 劇場公開 1968年12月
 録画日  DVD形式 2015年8月
 鑑賞年月 2015年12月


 本作が公開されたのは、中学1年の冬のこと。
すでに自分自身の特撮熱は冷めていた。
映画界も観客動員数が毎年前年割れをしている時期。

手元にある資料(経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課編集による
「コンテンツ・プロデュース機能の基盤強化に関する調査研究」、
データの出典はキネマ旬報社)によると、実際には1958年の1,127,452千人がピークで、1968年は313,398千人と約1/4にまで減少している。

ゴジラシリーズで言えば「ゴジラ・ミニラ・ガバラ/オール怪獣大進撃(1968年)」の公開が1968年8月、特撮怪獣ブームはまさに終焉、後追いの大映は妖怪ものに活路を見出そうとしたのだろうか?
ちなみにガメラシリーズは「ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年)」の頃。
前年の「大怪獣空中線/ガメラ対ギャオス(1967年)」に比べると、
いかにも小粒で低予算、低発想な作品になっていることは否めない。

 物語は、17、8世紀(江戸時代)のいつか。
中東(だと思われる)のある国の遺跡で盗掘事件が起きる。
盗掘者たち(と言っても2人だが)は、そこで4千年前に封印された
バビロニア(?)の妖魔ダイモン(!)の眠りを覚ましてしまう。
ダイモンは帆船に憑依(?)し、なぜか日本にやってくる…
うーん、理由を問い詰めると物語が始まらないから、まっ、いっか。

たまたま浜を巡回していた善人の代官を殺害、これに憑依する。
ダイモンは吸血妖魔で人間の生き血を必要としていた。
東洋人の血が口に合うってことで日本に来たのだろうか。(しつこいな)

そうか、伊豆って天領だったのか。
金山があったらしい。
代官は神田隆という俳優さんが演じているが、この方、悪役が多くて。
大魔神 怒る(1966年)」でも御子柴弾正を演じていて、
成敗されたときは「ざまぁみろ」と思ったりしたものだ。
テレビドラマでも、悪役の多い俳優さんではある。

代官邸の庭池には、主として河童が棲みついていた。
河童は穏やかで人民思いの代官の意変に気づき、戦いを挑むものの一蹴される。
そりゃ、武器も何もない素手(?)で立ち向かっても…

そこで仲間の妖怪たちに助けを求めるが、ダイモンが日本妖怪図鑑(?)に
載っていないということで、仲間たちは河童の話を信用しない。
だが手代(中間?)の若者と代官の娘たちも異変に気づき、
ようやく妖怪たちは立ち上がるが…

まぁ、コテンパンにされてしまう。
武器、もっとないの?
火を吐くとか、必殺パンチとか…
ちなみに、この時立ち向かうのは河童のほかに油すまし、ろくろ首、青坊主、
二面女(にめんじょ)、雲外鏡(うんがいきょう)、から傘小僧である。
誰も武器持ってないし…

ところで、本作について後出しジャンケンのような評論を耳にした。
評論ではないか、意見かな。
それは、本作のラストで2回叫ばれる「日本の妖怪が西洋の妖怪に勝った」
という台詞にまつわるものだ。

この台詞が太平洋戦争で西洋に負けた悔しさを反映したものだという意見である。
まぁ、連合国には中国やインドも入っているから、
西洋と断じるのも少し違うのではないかと思うのだが…

そうかなぁ…制作経緯を考えると、少しこじつけのような気がしないでもない。
まぁ、他の作品を観ても60年代後半、経済も発展してきたし、
翌年にはオリンピック、2年後には万博も控えているから、
社会の気分はそうだったのかもしれない。

しかし、仮にそうだとしたら70年安保以降、
急速に米国かぶれしてゆく日本の姿勢に警鐘を鳴らす
名台詞ということになるのではないだろうか。
実際は単に戦争に負けた悔しさや、
大和魂を取り戻す言葉ではなかったのではないか?

武道家で神戸女学院大学名誉教授の内田樹さんは、
ロッキード事件(1976年)以降「対米従属を通じての対米自立」が
変質したと言っている。
沖縄返還(1972年)は「対米従属を通じての対米自立」の成果であったが、
その後の「対米従属」は何一つ成果を挙げていないとも指摘している。

「日本の妖怪が西洋の妖怪に勝った」という台詞は、
「戦争で失ったものを忘れてはいけない」ということなのかも知れない。
戦争自体を許容するものではないが、
しかしGHQによって確実に奪われたものはある。
それは4月29日と12月23日が、いったい何の日であるかを教えない教育に
端的に現れていると思うのだが、どうだろうか。

まぁ、映画自体はお気楽な娯楽作品である。

妖怪大戦争 [DVD] - 青山良彦, 川崎あかね, 大川修, 内田朝雄, 黒田義之
妖怪大戦争 [DVD] - 青山良彦, 川崎あかね, 大川修, 内田朝雄, 黒田義之

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