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【BD鑑賞】ファンタスティック・プラネット

ファンタスティック・プラネット
 制作年  1973年
 監督   ルネ・ラルー
 出演   
 劇場公開 1985年6月
 録画日  BD形式 2016年4月17日
 鑑賞年月 BD鑑賞 2016年4月


 独特な絵柄だ。
日本人には思いつかない造形であり配色がほどこされたアニメ。
フランスとチェコの制作になる。

幾分、哲学的テーマでサイケ調な色彩感覚は、
燃え残ったカウンターカルチャーの影響だろうか。
制作に4年を要した力作ということなので、発想は1960年代末。
その影響がないとは言えないだろう。

物語はある惑星の話である。
ドラーグ族(人)という巨人が支配し暮らす惑星。
惑星に生息する様々な生物の中に、オム族と言う小さな人型の生物がいる。
彼らはドラーク族に家畜かペットか虫けらのように扱われている。

オム族の赤ん坊が一人、ドラーク族の女の子のペットになる。
しかし、このドラーク族の造形は半漁人のようだ。
しかも全身がなぜか空色、明るいブルーなのである。
ちょっと気色が悪いが、一度見たら忘れられない顔だちだ。
特別、キワモノ的な造形ではないのだが…

ドラーク族の生態は少し変わっている。
大人になると瞑想するのだが、どうも生殖に関係しているらしい。
それはラストに奇妙な映像として描かれることになる。

ペットとなった赤ん坊、成長して逃走する。
ドラーク族は知識をレシーバーのようなものから直接脳にたたき込む。
赤ん坊は女の子と常に一緒だったので、知識も吸収したのだ。
やがて自我が芽生え、ペットであることに疑問を持っての逃走だ。

首輪をはめられている。
ある距離であれば遠隔操作で引き戻されるのだが、うまく逃走することができ
ひっそりと暮らしているオム族と合流した。

いろんなことがあるのだが、ドラーク族から吸収した知識で
別の惑星への脱出を画策する。
だが知識を吸収したオム族に恐怖感を抱いたドラーク族は彼らを駆除することに。
果たしてオム族の運命は?
彼らに未来はあるのだろうか?

結末は拍子抜けな感じだった。
実は瞑想先がオム族が辿り着いた別の惑星(確か野生の惑星と呼ばれていたような)で、そこで彼らは首のないマネキン人形のような生命体と合体し、
生殖を伴う生命活動を行っていた。
そしてこのマネキンは実にもろく、オム族の攻撃で簡単に破壊されてしまう。
種の危機に追い込まれたドラーク族はオム族との和平交渉に入り、
簡単に和平が成立。
オム族は人工的な衛星テール(フランス語で地球/テラらしい)に移住する…

まぁ、現代では物語より斬新で、多少不快感を刺激する絵柄と所作を
楽しむタイプの作品だろう。
いろいろ考えてみたが、本作が企画された頃はキューバ危機が回避されたものの、
核による第三次世界大戦を危惧していた時代であり、
東西両陣営の衝突が世界中で繰り広げられていた。
ベトナム戦争も米国にとっては泥沼化の様相を呈し始めていた。
そんな時代である。

何事かをメタファーしているはずだが…よく分からない。
巨人の住む惑星。
スウィフトは「ガリバー旅行記」で巨人の王国ブロブディンナグ国を描いた。
その中で国王に英国社会の質問をさせ、当時の英国の社会制度を批判した。
本作も、そういう部分があるのだろうとは思うのだが、60年代をのどかに過ごした自分には、まるで皆目見当がつかなかった。

まぁ、しかし…
この若干の不快感を伴う映像は、ある意味クセになるかも知れない。
息子は音楽関係で見たことのある絵柄と言っていた。
息子とは音楽的な嗜好はほとんど合わないので、それが何なのは聞いていない。

話は違うが、実は全編を観るのに時間を要した。
毎回、疲れた頃に観たからだろうか途中で寝落ちしてしまう。
4回ほどに分けて鑑賞したことになる。
絵柄は面白いのだけれど物語は時々退屈である。
さして面白い物語ではないが、それでもきっとまたいつか観るだろうなぁ。

Webで知合ったLさんから。
フランスは欧州唯一のオタク国なのだそうだ。
そしてアニメにも子供向けという意識はなく、
アートであり大人向けと思われている。
そういうお国柄で制作された本作、日本のアニメとは味わいが違うのだそうな。
逆に子供向けの日本アニメが、フランスではニッチとして大ヒットした…
とLさんは考えているのだそうな。
なるほどねぇ。

ファンタスティック・プラネット [Blu-ray] - ルネ・ラルー
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