0コメント

【劇場鑑賞】終わった人

終わった人
 制作年  2017年
 監督   中田秀夫
 出演   舘ひろし、黒木瞳、広末涼子、臼田あさ美、
      今井翼、ベンガル、清水ミチコ、温水洋一、
      高畑淳子、田口トモロヲ、笹野高史ほか
 劇場公開 2018年6月
 録画日  DVD型式 2019年6月12日
 鑑賞年月 劇場鑑賞  2018年6月


 久しぶりにYES!Masterの会を開こうと思った。
昨年(2017年)8月に「ワンダーウーマン(2017年)」を
鑑賞して以来のことになる。
この邦題が、なんとなく鑑賞会に丁度よいテーマではないかと思った。

そこでMMシアターMさんに連絡すると、「いいと思います。原作読んでいるので
三人で観るのが楽しみです」と二つ返事でOKだったので、
さっそく敬愛する元上司Mr.身勝手君に連絡した。

すると「いいね。昨年読んだ本の中で心に残る物語だった」と、普通にOKだった。
まぁ、想定内の反応のテーマ選択だったが、
Mさんに「日程調整がうまくとれました。Mr.身勝手君も原作を読んでいるみたいです。また、自分だけ蚊帳の外ですな」と連絡したところ、なんとMさん、原作はMr.身勝手君の紹介で読んだという。
なるほど、二人は読書好きだった。
そして、確かに蚊帳の外だった…

 Mr.身勝手君も自分も、今はサラリーマン生活が「終わった人」である。
そういう意味で選んだ作品だったが、二人に共通していたのは、
本作の主人公のように「まだ終わっていない」と思わなかったところ。
給与所得者として十分に社会貢献は果たしてきた。
そろそろ我慢してきた好きなことをやろう、という気分だった。
まったく未練がないといえば嘘になるが、「まだ、やれる」とは思わず、
後は残った者たちが力を存分に発揮すべきと自然に思ったものだ。
ということなので、主人公とはスタートラインが少し違った。

しかし、本作のように仕事で空いた時間を何に使うか、悩む人は多いのだろうなぁ。
自分もそうだが、まず生活が地域に根ざしていない。
定年退職した翌日から「さあ、地域活動だ」と意気込んでみても、
何をどうしてよいのか…五里霧中だろう。
本作のように奥様が仕事でもしていようものなら、昼間は暇で仕方がないと思う。
まだ現役バリバリの感覚も残っているだろうから、公園やシルバーセンター、
ジムに行ってもジジババばかりだと「俺は違う」と違和感だけが残るのだろう。
まさに、本作の主人公が感じるとおりである。

食事会でMr.身勝手君が「俺も、突然だったらこうなったかも。一年間、準備期間があったからなぁ」としみじみ呟いていた。
なるほど、そうだな。
自分の場合も、同じようなものだった。
定年後の自分をイメージし、準備するのに十分な時間があった。
でも、逆にその一年間は、周囲には申し訳なかったが、就業意欲というのか、
働くモチベーションは落ちていた。
まぁ、それを許容してくれる、よい会社だったということにもなるが…

 さて、ふとしたきっかけで二つのことが主人公の身に起きる。
一つは、ジムで知り合った若者から会社を手伝ってほしいと。
面接に行って見ると、はっきり○○銀行元役員という肩書が欲しいと
言われるのだが、それでも仕事ができると引き受けることに。

働き始めると妻から「仕事が楽しいのね。スーツが息をしている」と言われ、
ご満悦の主人公だったが、Mさんに言わせると「原作では、現役時代に通っていた
銀座のクラブのママさんから言われる台詞だから意味がある。奥さんじゃダメ」と。
なるほど。

銀座のクラブのママが再就職を知らなかったのに、どことなく嬉しそうな主人公を見て「スーツが息をしている」というから意味があると評するMさん、自分自身の夜の仕事と何事かを重ねたに違いない。

もう一つは、通い始めたカルチャーセンターで知り合った受付嬢と、
何やらいい関係になりそうになる。
まぁ、男子の勇み足感は否めないのだけれど可笑しみがある。
食事会でMr.身勝手君が「まぁ、こういう思い込みは、皆一度や二度あるものだ」と、昔よく通っていた小料理屋Yの女将のことを話し出した。

自分もよく知っている女将だが、確かに気風のいい女将だった。
気風と切符をかけたMr.身勝手君の女将紹介ギャグが笑えた。
その女将と三人で呑んだ時「○○君、彼が部下のあなたを連れて来て、
こうして三人で呑めるのはね、昔わたしたちには何事もなかったからよ」と
笑いながら言っていたことを思い出した。

確かにそうだろうな。
YES!Masterの会も、Mさんと何事もないから続いている。
まぁ、男子にはこういう状況が必要なのではないかと思う。
異性の友人関係は疑似恋愛的で、よいものである。
この関係を続けたいなら抱いてはいけない。
そう言うとMさんも、古い知人のY女史も笑っている。

 さて、その後、勤め始めた会社の若社長が突然死を遂げる。
残った若手社員から社長になってくれと懇願され引き受ける。
妻は「顧問と社長じゃ、責任が違う」と言って反対するのだが…
案の定、海外取引で相手企業が破綻、膨大な借金を背負うことになる。
会社を整理するも残った借金は社長である自分の借金となり…

まぁ、そういう流れで物語は進み、どうやら「卒婚」というのがテーマになっているように感じたのだが、どうだろうか。
そういえば56歳の頃、それまで勤めていた親会社を定年になり出向先の
関連会社に移籍、60歳で定年になることが明確になった時、妻に「そういうことで息子も大学を卒業するし経済的にも二人で暮らすにはギリギリ支障もないので、
俺はもう仕事はしない。」と宣言した。
妻は、「それなら、これからはお互い、お一人様を大事にしよう」と言った。
妙に納得したことを思い出した。

子供が社会に出て親の経済圏を脱することで子育てが終わるとすれば、
人間という生き物は子育てが終わってからも「ツガイ」として生きる時間が
他の生物に比べて異様に長い。
結婚を解消するのではなく結婚を卒業するというのは、なかなか含蓄があって
面白い考え方だなと思う。

しかしなぁ、エンドロールを眺めながら「卒婚って、
けっこう経済的に大変だろうなぁ。そういえば、主人公の作った借金の返済問題は
どうなったのだろう?」と思った。

食事会でMr.身勝手君とMさんがジムのメンバーの中に、
原作者である内館牧子を見つけたらしく「普通のババァとは、オーラが違う。
すぐ分かった」とはしゃいでいた。
原作も読んでいない自分は、まったく気づかなかったが…

ということで、最後まで蚊帳の外だった。
次回の鑑賞かいは「散り椿(2018年)」の予定になった。

終わった人 [DVD]
終わった人 [DVD]

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント